さて、前々回にお知らせした、「木造建築設計技術者 スキルアップ講座」ですが、
実際に材木を使って、強度の実験をしてくれました。
とっても面白く大切なことなので、ここも2回に分けてお伝えします。
えっ、そんなのつまらない?
そうなんです。
このように技術的なことを書くと、読む人が減ってくるんです。
でも、とても大切なことですし、知っておいて欲しいので、書いておきますね。
まずは、柱の曲げ実験。
中程にある、青い2つの腕のような物が、柱を押していきます。
真ん中にある銀色のものは、どのくらい曲がったかを見る測定器です。
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ぐにゅ〜、と曲がっていき、バキバキ、バキ、といったのが下の写真。
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次は、梁の実験をしたところです。
同じように曲げの実験をします。
太さも違いますし、割れ方も違いますね。
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これは、垂直に柱に荷重をかけたところです。
上から、縦にかけたんですね。
この柱は、バキッ、と折れて終了。
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実は、もう1本、同じような実験をしたのですが、
その際には、バキッ、と割れた途端に横に吹っ飛んで行きました。
安全だからと言っていたんですが、まあ、実験は楽しい!
ところで、このヒノキの柱は何トンの荷重まで耐えたでしょうか?
なんと、20トンです。
今回の実験では、通常よりもいい数字が出たようですが、
それにしても車の大きいのが10台分です。
思ったよりも強いですね。
反らないように背割れを入れた柱も、同じような結果になりました。
ここのところも、大切なところです。
珍しい実験では、こんな実験も見せてくれました。
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これは、トラス構造(三角形をつなげていく方法です)で使う構造なので一般的ではないのですが、特別に用意してくださったのです。
元々、この構造は引っ張りに強いので、曲げには弱いのですが案の定、
という壊れ方でした。
柱の引張り試験も見せてくれました。
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柱を挟んでいる爪が両側に有るのがわかりますか?
柱は、圧縮されたり引っ張られたりするので、
とても大切な実験なのです。
ただ、圧縮よりも引っ張りの方がずっと強いので、それ程重要視はされません。
「この実験は、安全だから近くで見て大丈夫ですよ〜〜」
の言葉、
こういう時って、何か起きるんですよね。
ハプニング集みたく。
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バキッ、って割れた途端、
大きな音とともに、私に向かって木のカケラが飛んできました。
は〜、びっくりしましたよ。
でも、それでこそ実験!
引っ張りは、40t 位出ていたようです。
圧縮の2倍の耐力があるんですね。
このように実験を行うと、
本で読んでいるよりも実感がわき、わかりやすいですね。
次回は、少し特殊な実験の報告をします。
撮影したビデオも掲載する予定なので、緊張感が伝わってきますよ。
お楽しみに!